建設業界で進む外国人の活躍 ― 施工管理も外国人が担う

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金田 侑万
執行役員/エグゼクティブコンサルタント
金田 侑万
文教大学卒業後、国内最大級のヘッドハンティング会社に新卒入社。大手不動産デベロッパーや建設会社等のクライアントを担当するヘッドハンターとして、技術職・専門職のヘッドハンティング業務に従事。 複数の社内表彰を受賞するなど、建設・不動産業界の採用支援において、豊富な実績を有する。 その後、弊社代表の高木と共に株式会社レガシーを創業。建築・内装施工における施工管理や不動産デベロッパーにおける用地仕入れ営業職など、採用難易度が非常に高いポジションのヘッドハンティングを得意としている。 埼玉県出身。

目次

近年、日本の建設業界は高齢化が進んでおり、人材不足が顕著になっています。一方で、若手人材からの建設業界の人気は下落する一途を辿っており、新卒入社で建設業界、特に施工管理・現場監督としての就職を希望する学生の数は年々減少しています。そして、せっかく入社をした貴重な若手人材でさえ、施工管理・現場監督の仕事に対して、理想とのギャップを感じ、早期離職してしまうケースも多々あるようです。つまり、国内の若手人材の採用・育成・定着は非常に難しくなっており、そういった状況を考慮して、新卒採用を意図的に止めている会社もあります。しかし、中長期的な目線で考えると、若手人材の確保と育成は、企業の競争力に直結する要素であり、目をそらすことのできない問題でもあります。そんな中、近年、海外の技術系大学を卒業した若手人材を採用する建設会社が増えてきました。本記事では、建設業界で進む外国人の活躍について解説します。

建設業界における外国人の活躍

日本の建設業界では、現場で働く外国人労働者の数が年々増加しており、その存在感は急速に高まっています。厚生労働省の集計によれば、2023年10月末時点で建設業に従事する外国人労働者は約14万4,981人にのぼり、7年前の2016年と比較すると約3.5倍に増加しています。

資料出所:厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況まとめ※左記よりデータを取得の上、加工

この増加傾向は直近でも顕著で、2022年から2023年のわずか1年間で約2万8千人もの外国人労働者が新たに建設業界に加わりました。さらに2024年10月末には、建設業で働く外国人労働者数は約17万8千人に達し、前年比22.7%増という高い伸び率を記録しています。これは建設業就業者全体の約3.7%に相当し、全産業平均を上回る水準です。

このように、建設業界における外国人労働者は、もはや一部の補助的な存在ではなく、統計上も無視できない重要な戦力となっています。

建設業界で活躍する外国人労働者の多くは、技能実習生や特定技能といった在留資格で来日した現場技能者です。特に技能実習生は依然として大きな割合を占めていますが、近年は特定技能制度の普及により、即戦力となる外国人材の受け入れが急速に進んでいます。2024年時点では、建設分野の特定技能外国人は約1万9千人に達し、前年から大幅に増加しました。出身国別に見ると、ベトナム人が最も多く、次いでインドネシア人、フィリピン人、中国人などが続いています。さらに近年では、ミャンマーやネパール出身者の増加も顕著で、建設業界に進出する外国人材は数・国籍ともに多様化しています。

今後、建設業の外国人労働者はさらに増える

現在の状況から見て、今後も建設業界における外国人労働者は増え続けると考えられます。その背景には、いくつかの構造的な要因があります。

まず挙げられるのが、国内人材の不足と高齢化です。少子高齢化の進行により、若年層の建設技能者は年々減少しており、熟練技能者の引退も相次いでいます。国内人材だけでは現場を支えきれず、慢性的な人手不足が常態化しています。10年後、20年後を見据えると、新たな担い手の確保は喫緊の課題であり、建設業界における外国人採用の重要性は今後さらに高まっていくでしょう。

次に、旺盛な建設需要の存在です。都市部を中心とした再開発事業やインフラ整備、さらには大型イベント関連の工事などにより、建設需要は高い水準を維持しています。こうした需要に対し、国内人材のみで対応することは難しく、外国人労働者の受け入れが現場を支える重要な役割を果たしています。

さらに、政府による制度整備も後押しとなっています。技能実習制度や特定技能制度の整備により、建設業界では外国人材を中長期的な戦力として活用しやすい環境が整いつつあります。特定技能制度では、今後数年間で多くの外国人材が建設分野に従事する見込みとされており、政府としても外国人労働者を重要な労働力と位置付けていることがうかがえます。

これらの背景から、建設業界における外国人労働者の増加傾向は今後も継続・加速すると考えられます。

施工管理職で活躍する外国人材の例

これまで建設現場で働く外国人といえば、技能実習生など現場作業を担う人材が中心でした。しかし近年では、施工管理(現場監督)といった技術職として活躍する外国人材の事例も少しずつ増えています。施工管理技術者の人材不足が深刻化する中で、外国人材を登用する動きが広がり始めているのです。

ある地方の老舗建設会社では、新卒採用や技術継承に課題を抱える中、初めて外国人採用に踏み切りました。同社が採用したのは、インドネシア出身で日本語と英語を話せる20代の男性です。建設業界未経験ではありましたが、建築を学んだバックグラウンドと高いコミュニケーション能力が評価され、施工管理職として育成する方針で採用されました。

入社後は現場で経験を積みながら、日本の国家資格取得を目指して学習を継続。企業側も長期的な育成を前提にサポート体制を整えた結果、着実に施工管理者として成長しています。この事例は、外国人であっても適切な環境と育成があれば、専門職として十分に活躍できることを示しています。

また別のケースでは、建設業界向け人材サービス企業が、将来の人材不足を見据えてネパール出身の若手人材を施工管理職として新卒採用しました。彼らは母国で土木や施工管理の基礎を学んだ経験を持ち、日本でさらに専門性を高めたいという強い意欲を評価されて採用に至っています。言語や文化の違いといった課題はあるものの、段階的に業務を任せることで、外国人施工管理者の活躍の場を広げていく方針です。こうした取り組みは、今後の建設業界において施工管理分野でも外国人材が重要な戦力となり得ることを示しています。

外国人材の有効活用は人手不足時代を生き残るカギになる

深刻な人手不足に直面する建設業界では、外国人材をどのように活用するかが企業の将来を左右します。日本人だけを前提とした従来の採用体制では、今後ますます人材確保が難しくなると考えられています。

一方で、外国人材の採用を前向きに検討し、組織体制を整える企業は、安定した人材確保につなげることができます。ただし、単に人数を確保するだけでは十分ではありません。日本語教育や安全研修、資格取得支援、生活面のフォローなど、育成と定着を見据えた取り組みが不可欠です。

外国人材が安心して働き、長く活躍できる環境を整えることが、人手不足時代を生き残るための重要なポイントとなります。

建設業界における外国人の活躍は、今後さらに広がっていくことが確実視されています。技能者にとどまらず、施工管理などの専門職分野でも外国人材が活躍し始めており、多様な人材を受け入れることが企業の競争力強化につながります。

とはいえ、外国人採用には在留資格の手続きや言語・文化面での対応など、専門的な知識とノウハウが求められます。そこで弊社では、建設業界に特化した外国人材採用支援サービスを提供しています。

直営の日本語学校と工科系大学とのネットワークを活かし、日本語能力と専門性を兼ね備えた外国人材を厳選してご紹介するとともに、派遣就労から直接雇用へ切り替え可能な仕組みを採用することで、採用リスクを抑えた人材活用を実現します。さらに、ビザ手続きから生活支援まで一貫したサポートを行い、初めて外国人材を受け入れる企業でも安心して導入できる体制を整えています。

人材不足にお悩みの建設業界の経営者・人事ご担当者様は、ぜひ外国人材の活用をご検討ください。

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