建設業界においてヘッドハンティングは最後の切り札!成功事例を解説!

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浅利 光
コンサルタント
浅利 光
筑波大学体育専門学群卒業後、独立系M&A仲介会社に入社し、M&A案件のソーシング及びエグゼキューションに従事。 建設セクターを担当するチームに所属し、建設業界・建設コンサルタント業界において、事業承継や人材不足等の課題を抱える中小企業オーナーに対するコンサルティング業務を行う。 その後、東証プライム上場のM&A仲介会社を経て、株式会社レガシーに参画。建設コンサルタントや建築・土木・管・電気等の施工管理技士の有資格者の採用支援を得意とする。 北海道出身。

少子高齢化による人材不足に悩まされている日本の労働市場ですが、建設業界の人手不足は特に深刻です。「現場監督・施工管理人材が足りない」「社員が高齢化している」というような声は、近年非常に増えております。一方で、建設業界の採用競争は激化していることから、求人広告など従来型の採用手法で人材を集めるのは難しい時代となりました。そんな建設業界を生き残るための新たな採用手法としてヘッドハンティングが注目されています。本記事では、建設業界におけるヘッドハンティングについて解説します。

ヘッドハンティングとは

ヘッドハンティングとは、企業が必要とする人材を細かく要件定義をした上、専門のヘッドハンティング会社が調査活動を通じてリストアップ及び、各候補者に対して個別のアプローチを行う手法を指します。

日本における主流な採用手法として、

  • 人材紹介サービスに存在する人材に対してアプローチを行う「登録型の転職サービス」を通じての採用
  • WEBメディアや雑誌等の媒体を利用した「求人広告サービス」への応募を通じての採用

等が挙げられます。上記の手法は、日本において多くの企業が利用している一方で、アプローチ可能なのは転職市場に存在する僅か6%の転職顕在層に限られます。6%の中の、自社にマッチする人材のみにさらに絞り込んで探すことになるため、採用の難易度が高くなることは必然です。

 対して、ヘッドハンティングは転職市場以外の人材もアプローチの対象とします。企業の求人ニーズにマッチする可能性が高い人材を探し出し、企業への移籍を後押しします。候補者が求職者のみではないため、「選考のテーブルに乗った際に採用競合となる他社がいない」「好条件でのオファーを受ける可能性が高い」等の理由から採用成功率が高いと言われます。また、採用のプロであるヘッドハンターが、依頼企業のレピュテーションリスクも考慮しながら、候補者と円滑にトラブルなく交渉を進めることで、採用の成功率を上げると同時に、リスクを極力軽減することが可能となります。

 欧米では以前より、優秀な人材の獲得方法としてヘッドハンティングは活用されてきましたら、近年、日本でも優秀な人材がヘッドハンティングされる事例は増えており、徐々に浸透しつつあります。

建設技術者不足は深刻な状態に

 建設業界においても、ヘッドハンティングの活用は非常に増えてきています。その背景には、建設業界の異常ともいえる人材不足事情があります。ハローワークにおける建築・土木・測量技術者(常用・除くパート)の有効求人倍率は7倍(2024年3月時点)を記録しており、他業界(平均0.96倍)と比べても、極めて有効求人倍率が高い状態であるといえます。特に建設技術者の減少は著しく、2001年には約432万人の建設技術者が従事していましたが、2020年時点では約321万人まで減少しています。一方で、建設投資額は2001年と2020年を比較すると、約60兆円と同水準です。つまり、工事の総量は変わらないが、建設技術者は100万人以上減少している状況です。いかに技術者不足が顕著であるか、データ上でも明確になっています。

資料出所:総務省「労働力調査」、国土交通省「建設投資見通し」

2030年には、建設技術者が3.2万人不足するという試算も存在しており、建設技術者の育成・確保は建設会社にとって死活問題になることは間違いないでしょう。そして、若者離れが深刻になり、新卒採用の難易度が高い建設業界では、建設技術者の中途採用市場は極めて競争が激しいものとなっています。

「待ち」の採用では優秀な人材には届かない

 多くの企業が利用している採用手法は、「登録型転職サービス」「求人広告サービス」に分類することができますが、これらの採用手法はいわゆる「待ち」の採用手法であり、基本的には転職を検討している求職者ありきの採用手法となります。「登録型転職サービス」では、多くの会社が求職者にアプローチすることが可能ですので、採用競争が自ずと激化します。多数の人材がデータベース上に登録されていたとしても、他社との激しい採用競争を勝ち抜いた上で、本当に自社とマッチしている人材が否かを見極める必要があり、採用に至るまでにはいくつもの高いハードルを乗り越える必要があります。「求人広告サービス」への広告掲載は比較的手軽に出稿可能ですが、そもそも応募が来ないというケースがほとんどです。知名度のあるスーパーゼネコンでさえも建設技術者の確保に苦労している状況ですので、地場の建設会社に多数の応募が来るという状況は期待できません。加えて、大手求人メディアへの広告出稿料金は最低数十万円から、長期の掲載となると数百万円にまで費用がかかるケースもあり、コストに見合わないという声も多数耳にします。

ヘッドハンティングを活用し、採用に成功した事例

中堅空調工事会社 A社の事例

 当社で支援させていただいたクライアント様の事例を紹介させていただきます。A社は、地場有数の空調工事業者として、主に工場や商業施設等の非住宅の空調工事を行っている、いわゆるサブコンです。受注は非常に好調であるものの、現場監督が圧倒的に不足しており、受注を意図的に止めている状況でした。未経験者を育成する期間を設けることは難しく、売上増を狙って現役の優秀な施工管理技術者を複数名、中途で採用したいと考えていました。ただし、現役の施工管理技術者の複数採用は通常の採用手段では難しいため、ヘッドハンティングの活用を決断しました。

実際の動きとしては、同業界の候補者のリサーチを行い、数か月をかけてリストアップ。その後、一人一人の候補者に対してヘッドハンターがアプローチを行いました。結果的に数名の候補者との採用面談が実現。最終的には、近隣地域の中堅企業に勤務していた30代の施工管理の方の採用に成功しました。この30代の方は、当時、積極的に転職活動をしていたわけではなかったのですが、「給料を上げたい」「もう少し休みを確保したい」などの漠然とした悩みを抱えていました。そんなタイミングで、当社のヘッドハンターからのお声がけがあり、今後のキャリアを考えるひとつのきっかけに。最終的には、年収アップも実現され、クライアント・ターゲット、双方にとって満足していただけるようなプロジェクトとなりました。

成功のポイント

  • 転職市場には少ない、30代・40代の管工事の施工管理資格者のリサーチに成功し、複数の候補者との面談に成功したこと
  • 建設業界の知見豊富なコンサルタントが担当となり、業務内容への深い理解を持ってヘッドハンティングが行われたこと
  • 企業側の採用意欲が非常に高く、コンサルタントと協働してプロジェクトを推進できたこと

ヘッドハンティングは人材不足解消への有効な一手となる

  • 「若い人や未経験人材を採用しても、すぐに辞めてしまう」
  • 「自社の人材育成にかけるコストや時間がない」
  • 「仕事はいくらでもあるが、対応できる人員が足りない」

 こんな悩みを抱えている建設事業者は、ヘッドハンティングの活用を検討する価値があります。今後、建設業界で生き残っていくには、「いかに優秀な人材を確保するのか」が命題になってくることが間違いありません。既存サービスでの採用が、上手く機能していない会社ほど、ヘッドハンティングが人材不足解消への有効な一手となるでしょう。

LEGACY(レガシー)は、建設業界特化のヘッドハンティングサービスを展開しています。

  • 建設業界に精通したコンサルタント陣
  • 長年の業界経験から構築された建設会社オーナー様との独自ネットワーク
  • 建設業界事情を踏まえた採用支援やキャリアアドバイス

など、建設業界特化のヘッドハンティングだからこそ、ご提供できるサービスがあります。ぜひ一度、お気軽にお問い合わせください。

※プロジェクト設計及びお見積りは無料です。


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