採用に悩む建設会社のためのWEB・SNS活用戦略を解説!

公開

金田 侑万
コンサルタント
金田 侑万
文教大学卒業後、国内最大級のヘッドハンティング会社に新卒入社。大手不動産デベロッパーや建設会社等のクライアントを担当するヘッドハンターとして、技術職・専門職のヘッドハンティング業務に従事。 複数の社内表彰を受賞するなど、建設・不動産業界の採用支援において、豊富な実績を有する。 その後、弊社代表の高木と共に株式会社レガシーを創業。建築・内装施工における施工管理や不動産デベロッパーにおける用地仕入れ営業職など、採用難易度が非常に高いポジションのヘッドハンティングを得意としている。 埼玉県出身。

目次

「2024年問題」や「少子化」によって、建設業界は若手の採用難易度が非常に高くなっています。「3K」=「きつい」「汚い」「危険」のイメージから、建設業界に対して、好意的なイメージを持てていない若者が増えていることも要因として挙げられるでしょう。一方で、ウェブやSNSなどを活用したブランディングに成功し、WEBやSNS経由での採用が順調という会社も存在するのも事実です。どこでこの差が開いたのでしょうか。建設業界の採用戦略に精通しているコンサルタントが解説します。

WEB・SNSを活用した採用戦略とは

WEBサイトを活用した採用戦略

近年は、ほとんどの求職者が求人情報をネットで検索します。関心を持った企業に対しては、対象企業のホームページを閲覧するなど、企業情報をネットでリサーチするという行動が一般的となりました。特に、採用特設サイトを開設することは、会社の雰囲気や求人情報の詳細を知ることができ、興味を持った求職者の関心を引き寄せることができることが期待できるでしょう。一方で、関心を持った企業のホームページの情報が少なかったり、クオリティが低かったりする場合、求職者は「レベルの低い企業」という悪印象を持つこともしばしば。今の時代、社屋や業歴の長さで第一印象が決まるわけではなく、WEBサイトで第一印象が決まるといっても過言ではないです。

しかし、システム担当者やWEBマーケティング担当者が在籍している、中小・中堅規模の建設会社はほとんどなく、自社のホームページや採用サイトの整備が間に合わないことも多いようです。ネットの時代だからこそ、ホームページや採用サイトの整備は、最低限対応すべき採用戦略の一つでしょう。

SNSを活用した採用戦略

近年、X(旧Twitter)やInstagram、TikTokといったSNSを活用した採用ブランディングが建設業界でも注目されています。SNS戦略は求人への直接的な応募だけでなく、企業認知度の向上やブランディングなど様々な効果をもたらしています。株式会社マイナビの調査によると、現在では「求職者の約80%が応募を検討する企業のHPやSNSをチェックする」時代と言われます​。SNSで、現場の雰囲気や社員の様子を見ることができるため、応募前に企業理解を深めてもらうツールとしてmSNSは不可欠になっています​。建設業界のように、普段の業務内容がイメージしづらい業界でも、職人の作業シーンや施工現場のビジュアルをSNS動画で見せることで、「こんな仕事をしているのか」と具体的なイメージを持ってもらうことができます。実際、Instagramのリール動画やTikTokがバズったことをきっかけに、若年層から応募が殺到した企業もあるなど、SNS発信が採用につながった事例が増えています。

資料出所:株式会社マイナビ「非正規雇用に関する求職者・新規就業者の活動状況調査(2024年7~8月)」P.22

主なSNSプラットフォームの特徴と建設業での活用

建設業界の採用で主に活用されるSNSには、X(旧Twitter)、Instagram、TikTok、Facebookの4つがあります。それぞれ特性やユーザー層が異なり、発信内容や活用方法にも違いが見られます。以下に各SNSの特徴をまとめます。

X(旧Twitter)

拡散力が高く、短文や画像でこまめな情報発信が可能。投稿がリツイート等で拡散されやすく、リアルタイムな情報共有やハッシュタグを使ったトレンド発信に適しています。投稿に外部リンクを添付できるため、採用ページへの誘導もしやすいです。一方で炎上リスクがあり運用には注意が必要​。年代・性別問わず幅広いユーザーにリーチ可能ですが、特に20~30代の利用率が高めです。他SNSと比べ20・30代男性の割合が高い傾向があります​。

Instagram

写真や短い動画など視覚的な訴求力に優れたSNS。施工現場の写真、完成プロジェクトのビフォーアフター、働く社員の姿などを美しく発信することで、会社の雰囲気や魅力を直感的に伝えられます。ストーリーズ機能で日常の様子を共有したり、ハッシュタグ(例:#建設業を盛り上げよう 等)で関連業界や求職者に情報拡散が可能です。ただし投稿に直接URLを貼れない(プロフィール経由で誘導)点は留意が必要です。若年層に特に人気で、20代の約68.1%、30代でも55.6%が利用しています​。男女とも利用者が多く、20~30代を中心に幅広い層がアクティブです。

TikTok

15秒~数分程度の短尺動画による発信が特徴。音楽やテロップを付けて施工現場の様子や社員の日常を臨場感たっぷりに紹介できます。エンタメ性のある動画にすることでバズる可能性があり、フォロワー以外の層にもリーチしやすいプラットフォームです。若い世代への訴求力が非常に高い一方、定期的な動画制作など運用の手間もかかります。Z世代(10代~20代)から圧倒的支持を集めています。ユーザー層は他SNSより若く、女性ユーザーがやや多めです​。

Facebook

テキストと写真中心で詳細な情報発信に適したSNS。企業の公式ページを開設し、採用情報や社員紹介、福利厚生の案内など比較的長文の投稿も可能です。また、業界や地域ごとのグループ機能を活用し、コミュニティ内で求人情報を共有するといった使い方もできます(例:地域の建設業グループに自社求人を投稿するなど)。拡散性は他SNSに比べると弱いものの、信頼性の高い情報発信やコミュニティづくりに向いています。日本では30~40代の利用が中心で​、比較的年齢層が高め。現場のベテラン人材や地元に腰据えて働きたい層との親和性が高い傾向です。

各SNSの特性を理解し、ターゲットとする人材層に響く発信方法を使い分けることが重要です​。例えば、若手技能者を狙うならTikTokやInstagramでビジュアル重視のコンテンツを出し、一方で中堅技術者の中途採用にはFacebookで詳しい募集要項や働き方を説明するといった戦略が考えられます。また、Xを使って業界ニュースへの見解を発信し企業の専門性をアピールする、Instagramで社風が伝わる写真を定期投稿する、といったマルチチャネル戦略で各プラットフォームの強みを組み合わせる企業も増えています。

SNS活用の具体的な手法

ここでは、中小建設会社がSNSを採用活動で活用する具体的な手法をいくつかの観点に分けて解説します。

採用ブランディング(会社の魅力発信・企業文化の共有)

SNSは、自社の魅力やビジョンを発信し採用ブランディングを高める場として有効です。日々の投稿を通じて会社の雰囲気や社員の人柄、仕事のやりがいを伝えることで、求職者に「この会社で働いてみたい」と思ってもらうことができるでしょう。ポイントはリアルで飾らない情報発信です。建設業界向けのSNS運用では「正直で透明性のある情報発信」が重要と言われており、たとえ業界特有の厳しさがあっても隠さず伝えることで、共感や信頼を得られる傾向にあります。

具体的には、以下のようなコンテンツが効果的です。

  • 現場の日常風景: 朝礼や作業風景、職人同士のコミュニケーション、休憩中のひとコマなどを写真や短動画で紹介する。現場の臨場感やチームワークの様子が伝わり、働くイメージを持ってもらえます。
  • 企業文化・価値観の発信: 社長や経営陣のメッセージ、社是・ミッションの紹介、社内イベント(安全大会、BBQ大会など)の投稿を通じ「会社が大切にしていること」を発信する。会社のビジョンや雰囲気に共感する人材を引き寄せる効果があります。
  • 社員の声や成果の紹介: 施工実績の紹介だけでなく、「○○プロジェクトが無事竣工。チームのみんなで達成感を味わいました!」といった投稿や、資格合格者・表彰者の紹介など社員の努力や成長を称える情報を発信する。求職者にとって働いた後のキャリアビジョンを描きやすくなります。

このように、SNS上で会社のストーリーを継続的に発信していくことで、自社のファンを増やし、応募につながる母集団形成に寄与します。特に中小企業の場合、大手に比べ知名度で劣るため、SNSでのブランディングによって「知る人ぞ知る魅力的な会社」というポジションを築くことが重要です。

求人告知(投稿内容・頻度・ターゲティング手法)

具体的な求人情報の告知もSNSで積極的に行えます。新規求人や募集職種がある際には、適宜投稿して周知を図りますが、効果を高めるためのコツがいくつかあります。

  • 投稿内容: 単に「求人募集中」と書くだけでなく、職種ごとの魅力や待遇を分かりやすく伝えることが大切です。例えば「未経験者歓迎!先輩がマンツーマンで指導【施工管理職募集】」や「地域密着で転勤なし。地元で腰を据えて働きたい方募集【土木作業員】」など、求職者が関心を持つキーワードやメリットを盛り込みます。写真や動画も活用し、実際の作業風景や社員の笑顔を添えると信ぴょう性が増します。加えて、ハッシュタグを活用しましょう。#求人募集 #建設業求人 #現場スタッフ募集 などを付けることで、該当キーワードで検索しているユーザーにも発見されやすくなります。投稿の最後に応募ページや採用サイトへのリンクを設置(Instagramの場合はプロフィールに誘導)し、すぐ応募できる導線も確保します。
  • 投稿頻度とタイミング: 採用目的のSNS運用では定期的な情報発信が信頼感を高めます。一般的には週に数回程度の投稿が望ましく​、更新が滞らないよう計画的に運用します。更新頻度が高い企業は低い企業に比べ、採用サイトへのアクセス数が約2倍、応募者数も1.5倍に増える傾向があるとの調査結果もあります。タイミングも重要で、ターゲット層がSNSを閲覧しやすい夕方以降や週末に投稿する、曜日ごとに投稿内容のテーマを決める(例:月曜は施工事例紹介、水曜は社員紹介、金曜は求人告知 など)といった工夫も効果的です。
  • ターゲティング手法: フォロワー以外にも情報を届けるため、SNS広告や拡散力を活用します(広告については後述)。無料でできる施策としては、業界関連のハッシュタグを付ける他、業界団体や職業訓練校のアカウントにタグ付けして投稿を見てもらう、社員にシェアやリツイートを協力してもらい社員の友人ネットワークにも広げる、といった方法があります。また、Facebookでは地域コミュニティグループに求人情報を投稿することも有効です。例えば「○○県建設業界コミュニティ」等のグループに許可を得て求人投稿すれば、地元で仕事を探す人の目に留まりやすくなります。

なお、求人情報ばかりを頻繁に投稿しすぎるとフォロワーが疲れて離れてしまう可能性もあるため、情報発信のバランスにも注意が必要です​。普段はブランディングや社員紹介等の投稿を行いつつ、折に触れて求人告知を織り交ぜることで、フォロワーのエンゲージメントを保ちながら必要な情報を届けるようにしましょう。

社員インタビューや現場の雰囲気紹介

求職者は求人票の条件だけでなく、「どんな人たちと働くのか」「職場の雰囲気はどうか」に強い関心を持っています。そこで有効なのが、社員インタビューや職場紹介コンテンツをSNSで発信することです。建設業界の採用SNS成功例でも、投稿内容に社員インタビューや仕事紹介動画を盛り込んで就活生が重視するポイントを網羅しているケースがあります​。

  • 社員インタビュー動画・記事: 若手社員やベテラン社員に、「入社のきっかけ」「仕事のやりがい」「印象的なエピソード」などを語ってもらい、その内容をSNSで紹介します。動画であれば1~3分程度にまとめ、InstagramやTikTokで発信可能です。文章インタビューの場合は、社員の写真とコメントを画像に載せてXやFacebookで投稿すると良いでしょう。社員の生の声を届けることで、求職者は働く具体的なイメージを持ちやすくなり、応募意欲の向上につながります。
  • 現場紹介(職場ツアー): 工事現場や作業場、社内オフィスの様子を紹介するコンテンツです。例えば、「施工現場の1日」として朝のミーティングから作業、昼休憩、終礼までをダイジェスト動画にする、ドローンで現場を空撮した映像を投稿する、作業員の安全装備や重機の操作シーンを紹介する、といった形で仕事環境を疑似体験させます。これにより職場の雰囲気や安全対策状況なども伝わり、求職者の不安解消や興味喚起に役立ちます。
  • 社員のオフショット・交流: 現場で働く社員の笑顔やチームワークが伝わる写真も効果的です。休憩時間に談笑する様子や、施工後にみんなで記念写真を撮っている場面、社内イベント(飲み会・レクリエーション)のひとコマなどを投稿し、仲間同士の良好な関係性や会社のアットホームさをアピールします。「#現場男子」「#現場女子」などのタグを付けて、建設業で働く人々の魅力を発信する取り組みも広がっており、業界全体のイメージアップとともに自社の認知向上を図ることもできます。
  • Q&Aやコメント対応: SNSの双方向性を活かし、求職者からの質問に社員が答える場を設けるのも良い方法です。Instagramのストーリーズ機能で「質問募集」を行い「現場仕事の大変な点は?」「資格は必要ですか?」等に社員が回答して公開する、あるいはXで「#質問募集中」の投稿を行い後日回答をまとめて発信する、といった形でコミュニケーションを取ります。疑問に直接答える対応は企業への信頼感を高め、応募ハードルを下げる効果があります。

これらのコンテンツを充実させることで、単なる求人情報だけでは伝えきれない自社の魅力を感じてもらうことができます。特に中小建設会社の場合、「どんな会社か分からない」という理由で応募をためらわれがちですが、SNS上で日頃から社風や働く人々の姿を発信しておくことで、応募前に会社への親近感を持ってもらえるようになります。

SNS広告の活用(費用対効果・ターゲティング手法)

SNSでの採用活動をさらに強化する手段として、有料のSNS広告があります。Facebook、Instagram、X、TikTokそれぞれに広告配信プラットフォームがあり、少額から出稿できるのが特徴です。SNS広告を使うことで、自社アカウントのフォロワー以外にもアプローチでき、狙いたい層に効率よく求人情報を届けることが可能です。

メリット: 従来の求人媒体に比べて低コストで柔軟に運用できる点が大きな利点です。基本的にSNSで自社発信するだけなら無料で、必要に応じて広告を出す場合にのみ費用が発生します​。広告費用もクリック課金(CPC)やインプレッション課金(CPM)など成果に応じた形態を選べるため、無駄なく予算投下しやすいです。また、SNS広告は精密なターゲティング機能を備えており、例えば「○○県在住の18~25歳の男性」「建設・インフラに興味関心を示した履歴のあるユーザー」といった細かな条件で広告の配信相手を絞ることができます​。このため、求める人材層に絞って効率的にアプローチでき、費用対効果を高めやすいとされています​。実際、SNS採用広告は従来媒体に比べ比較的低コストで運用可能との指摘もあり​、中小企業にとって採用コスト削減策として有効です。

ターゲティング手法: 前述のように、各種SNS広告では配信ターゲットの設定が細かく可能です。地域、年齢、性別はもちろん、興味関心キーワード(例:「土木施工管理技士」「住宅リフォーム」など)や閲覧履歴、フォローしているページの傾向などをもとに対象者を絞り込めます。また、自社の採用サイトに一度訪れた人に対し再度広告を表示するリターゲティング配信も有効です。すでに自社を認知しているユーザーに絞ってアプローチできるため、より応募につながりやすく費用対効果が高まるとされています​。例えば一度採用ページを見に来たが応募に至っていないユーザーに、「エントリー受付中!締切迫る」といった広告を出せば、再訪・応募を促すことができます。

費用対効果と運用ポイント: SNS広告は少額から始められますが、ある程度まとまった予算を投入しないとアルゴリズムが最適化されず効果が出にくい場合もあります。目安として20万円以上の予算をかけると、広告プラットフォームのAIが学習して効果的な配信に寄与しやすいと言われています​。もちろん予算に応じて小規模テストから開始し、その結果を見て投下額を調整する方法もあります。重要なのは、広告出稿後はデータを分析しチューニングすることです。各SNSの管理画面で、広告の表示回数、クリック数、応募完了数などの指標を確認できます。これにより「どのクリエイティブ(画像・文言)で反応が良かったか」「どの層のユーザーから応募が多いか」が把握できるため、PDCAを回しながら効果を最大化していきます。広告の内容も、求人詳細ページへの誘導型だけでなく、「〇〇工事の現場を動画で公開中!興味ある方はぜひ応募を」といったコンテンツ訴求型の広告にすることでまずフォローや興味喚起を狙い、その後応募につなげるステップを踏むといった工夫も可能です。

留意点: SNS広告は強力な手法ですが、運用には専門知識も多少必要です。予算消化のスピード管理やターゲット設定の見直し、クリエイティブの品質など、難しければSNS運用代行会社や広告代理店に相談するのも一案です。ただし代理店によっては小規模予算の案件は扱わない場合もあり​、自社で運用する場合とのコスト比較や、代理店任せにしすぎて自社発信の色が薄まらないようにするなど、バランスを考えて導入しましょう。

今後の展望と建設会社が取るべき戦略

SNSを活用した採用は、今後ますます重要度を増していくと考えられます。特にデジタルネイティブ世代が労働市場の中心となるこれからの時代、企業のSNS発信力が採用競争力に直結する傾向が強まるでしょう。建設業界でも「今後SNSが全盛期を迎える」と予測されており、早めに取り組むことが、差別化となります​。以下に、今後のトレンドや有効と思われる戦略をまとめます。

  • 動画・ライブ配信のさらなる活用: コンテンツ消費のトレンドとして動画の比重が高まり続けています。短いPR動画や社員インタビュー動画だけでなく、InstagramライブやTikTokライブ配信で現場の生中継や座談会を行い、求職者がリアルタイムで参加できる場を作る動きも今後増えるでしょう。ライブ配信ならその場で質問を受け付けて双方向コミュニケーションが可能であり、会社説明会のオンライン版のような役割を果たせます。また、動画編集技術の進歩でスマートフォン一つでも質の高い動画が作れるようになってきており、中小企業でも創意工夫次第で魅力的な動画コンテンツを継続発信できる環境が整いつつあります。
  • 若年層に響くトレンドの取り込み: Z世代をはじめ若い人たちの流行やカルチャーを採用広報に上手に取り入れることも重要です。例えばSNS上で流行しているハッシュタグチャレンジや音楽に乗せて、自社の雰囲気を伝える動画を作るなど、若年層が好むトレンドを投稿に盛り込むことで、これまで自社を知らなかった層や「良い求人があれば転職したい」と考えている潜在層にもリーチしやすくなります。ただし無理のある便乗は逆効果なので、自社のキャラクターに合った形で創意工夫することが大切です。幸い建設業には重機や建築物といった視覚的インパクトの強い素材が多く存在するため、これらをポップに演出することでバズにつなげる余地は大いにあります。
  • 複数SNSの統合戦略: 今後も主要SNSそれぞれに利用者層が存在するため、プラットフォーム横断型の発信戦略が有効です。例えば、TikTokでバズった動画を編集してInstagramのリールにも投稿する、Xで発信した社員紹介記事の詳細をnote(ブログ)にまとめてリンクを共有する、といったようにコンテンツを再利用しつつ各SNSで露出を最大化する手法です。一貫したメッセージやブランドイメージを保ちながら複数媒体で発信することで、接触機会を増やし認知の底上げを図ります。また、新たなSNSプラットフォームが登場した際も柔軟に乗り出す姿勢が重要です(例:Twitter社の新SNS「Threads」や業界特化型SNSなどが注目された場合に素早く公式アカウントを開設する)。
  • データ分析とPDCAサイクル: SNS採用が本格化するにつれ、蓄積されたデータを分析して戦略を最適化する流れも一般化するでしょう。各SNSが提供するインサイト(閲覧数、エンゲージメント率、フォロワーの属性データ等)を定期的にチェックし、投稿の反応傾向を把握します。そしてどのターゲット層にどんなコンテンツが刺さっているのかを分析しながら、発信内容や頻度、広告配信の条件などを微調整していくことが重要です。特にターゲットとする人材像が明確な場合は、性別・年齢層・職業・趣味嗜好といった項目を洗い出し、ペルソナを設定した上でその人物像に響く発信とは何かをチームで議論すると効果的です。今後は中小企業でもこのようなデータドリブンなアプローチが求められ、担当者のスキル向上や社内体制の整備がカギとなるでしょう。
  • 社内の巻き込みと社員発信の促進: SNSで発信するネタは広報担当者だけで捻出するより、社員全員で日常的に共有・提供してもらう方が豊富になります。今後は「社員が自社について発信すること」が当たり前の文化になる可能性があります。実際に、社員それぞれが自分の言葉で仕事の魅力を発信する取り組みを推進する企業もあります(社員が自分のSNSで現場の様子を投稿したり、社内報的な内容をnoteに寄稿する等)。江口組のように社員の個人アカウント運用を支援し発信力を底上げするケースも出ています。社員発信は求職者によりリアルな声を届けられる反面、内容チェックやガイドライン遵守の徹底も必要ですが、会社全体でSNSに取り組む体制を作れれば大きな武器になります。「発信する社員=顔が見える社員」がいることで求職者の安心感は高まり、その社員に憧れて応募してくるといった現象も期待できます。
  • SNSと採用プロセスの連携強化: 将来的には、SNSからのエントリーをスムーズに行える仕組み作りも進むでしょう。例えばInstagramやXのDM(ダイレクトメッセージ)で応募希望の連絡を受け付け、そのまま面接日程調整に入る、あるいはプロフィールからワンクリックで応募フォームに飛べるようにする等、SNSと採用フローを直結させて候補者の離脱を防ぐ工夫です。現在でも「SNS経由の応募歓迎」と明記する企業はありますが、今後はチャットボットで簡易な質問に答えられるようにしたり、エントリー受付~面接調整までSNS上で完結させる試みが一般化するかもしれません。中小企業にとってもハードルの高いIT投資ではなく、既存SNS機能を活用した安価な仕組みで実現できる部分から進められるでしょう。

SNS採用は、企業規模に関わらず、継続的に発信を続けていくことで、低予算で採用が実現できる可能性が十分あります。特に建設業界では、人材確保のためにSNSを活用する動きはこれから本格化していくと考えられます。

SNS運用の課題

中小企業では広報・人事を専門に担当する人がいない場合も多く、SNS運用の手が回らないという課題もあります。現場業務の合間に投稿したりコメント返信したりといった作業は想像以上に時間を取ります。また、効果的なハッシュタグ選定や撮影・画像編集のスキルなど、デジタルマーケティングの知識不足も障壁になることがあります。このような場合は、SNSマーケティングは、プロの採用コンサルティング会社に依頼することも選択肢の一つです。特に、新たにアカウントを開設しても、当初は認知度が低くフォロワーを集めるのに時間がかかります。フォロワー0の状態でいきなり求人情報を発信しても届く相手が限られるため、まずは地道に投稿を重ねてファンを増やす必要があります。SNS採用の取り組みは即効性が低く成果が出るまで時間がかかりやすいものですので、専門家の知見を借りつつ、また社内リソースが足りない場合は運用代行も利用していくことが必要です。

SNS運用は、建設業界の採用のプロ・レガシーにお任せください

レガシーは、建設業界特化の採用コンサルティング会社として、建設業界における採用ノウハウを有しております。建設業界の多くの人材との接点を有しており、求職者視点でのSNS戦略を立て、運用することが可能です。

  • 「SNSを運用したいが、どうすればいいか分からない」
  • 「SNS運用にかけるコストや時間がない」
  • 「WEBマーケティング・SNSマーケティングに関する知見がない」

 こんな悩みを抱えている建設会社は、WEBマーケティング・SNSマーケティングの活用を検討する価値があります。今後、建設業界で生き残っていくには、自社らしい情報発信でファンを増やしていくことが命題になってくることが間違いありません。既存サービスでの採用が、上手く機能していない会社ほど、WEB・SNS戦略が人材不足解消への有効な一手となるでしょう。

LEGACY(レガシー)は、建設業界特化の採用コンサルティングサービスを提供しています。

  • 建設業界に精通したコンサルタント陣
  • 建設業界における様々な人材との独自ネットワーク
  • 建設業界特有の事情や時流を踏まえた採用戦略の支援

など、建設業界特化の採用コンサルティング会社だからこそ、ご提供できるサービスがあります。ぜひ一度、お気軽にお問い合わせください。

※プロジェクト設計及びお見積りは無料です。

関連する記事
ヘッドハンティングとは―経営者・人事担当者向け徹底解説
ヘッドハンティングとは―経営者・人事担当者向け徹底解説
採用に悩む建設会社のためのWEB・SNS活用戦略を解説!
採用に悩む建設会社のためのWEB・SNS活用戦略を解説!
建設会社の事業承継│後継者はヘッドハンティングで採用できる!
建設会社の事業承継│後継者はヘッドハンティングで採用できる!
ビズリーチは採用できない?ーダイレクトリクルーティングは難しい
ビズリーチは採用できない?ーダイレクトリクルーティングは難しい
建設コンサルタント業界のヘッドハンティング【事例解説】
建設コンサルタント業界のヘッドハンティング【事例解説】
フッター背景

建設・不動産業界の採用は我々にお任せください

問い合わせる